最初に…決してご高齢者を馬鹿にする話ではありません。
将来は私も皆さんも同様の手間を掛けるかも知れませんので。
突然ですが、親御さんの不動産売却が浮上した際、親に代わって自分で
仲介業者を探すケースもあろうかと思います。
その時に皆さんはどんな基準で仲介会社を選びますか?
高値で売ってくれそうな会社?買主がいっぱい居そうな会社?
大手の会社?特典や付帯サービスが色々ある会社?
1200件以上取引をしている私から言わせれば、どの会社も
それだけではNGです。
高く売る!早く売る!は正確な調査と査定、戦略的な売却方法、
正しい法知識があれば当然の事で、言うまでもない事。
購入希望者の登録数は沢山の物件に来た総数だし、付帯サービスは
専任媒介との交換条件みたいなモノ。
(その会社にだけ売却を任せる専任媒介⇐仲介業者はコレが欲しい為に
色々と考えます)なので、そこはある意味どうでもイイ。
では何が一番【重要】か?
それは売主様(ご高齢)とお身内へのサポート意識です。
(注:今回は認知症関連を除きます。それはまた別の機会に。)
実は皆さんが思っている以上に売主としての署名や押印の書類は多く、
詳細は割愛しますが、ざっと30~40種類はあります。
更に用意、探索、提出して頂く書類も場合によっては多岐に渉ります。
マンションは未だ良いのですが、土地戸建てや相続登記未了の物件、
相続時の遺産分割協議書が無いといったケースも時代背景としては
充分に有り得ます。
で、ココからが不動産会社の選び方・・・
私は売主様が高齢の場合は頻繁に足を運びます。
多い時は週3日と、まるでデイサービス並になります(笑)
何故か?
ご高齢者に必要書類の押印や提出をご依頼しても・・・・・
・一度に複数のテーマは後で混乱する
・メールに馴染みが無い
・ZOOM?ナニソレ、美味しいの?状態
・郵送で書類と説明書を送っても円滑に伝わらない
・役所で取得して頂く書類も私が送迎+付き添った方が確実
・常に安心感を持ってもらいたい
だから、私は必ず訪問して素人さんでも解る様に何度も説明します。
(コロナ禍においては非常に気を使いながら・・)
そして場合によっては一緒に押入れの中とかから書類を探す。
親戚にあるなら一緒に訪問する。
何せ専門的な書類は表紙だけでなく中身も確認しないとダメなので。
委任状で動ける範囲は私が動きますが、全てがそれだけではない。
だが、たま~に悲しいことに前回までの説明が突然(は?)って
解らなくなる事もあります。だってお年寄りだもん。
それでもまた説明する。当然。
幸い、同居や付近にお子さんが居られる場合はなるべく同席の上で
説明や依頼をしますが、お仕事や育児等で時間が取れない場合も多い。
その場合は売主(親御)さんとのやり取り、現状と今後などを全て
当日に報告をします。
流石にメールがメインですが。説明が必要な方が2人居れば同じ
内容を2回説明、常に最後まで共有します。
だって、お子さん方も雑な不動産屋に親御さんが勝手に印鑑とか
押されたら不安じゃないですか?
なので下世話ですが同じ手数料でも出向く回数や割く時間、
質疑報告の量が倍にも3倍にもなるんです、いや本当に。
ココで業者の本質が出るんですが、私は下記を心掛けてます。
①誰でも簡単に理解が出来る説明能力
⇒ 不動産売買はモチロンその他の法律も含めてちゃんと
理解してないと上手に説明は出来ない。
②手間や時間を惜しまない
⇒ たぶん大手では上記のような動きは上司からストップが
掛かると思います。私も大手出身なので解ります。
経費も時間もロスが大きいから。
でも、確かにお互いに無駄な動きは省くべきですが、効率化の裏で
お年寄りの不安は増長したり、齟齬が発生しちゃうんです。
③絶対的な安心感
⇒ もう、これが全て。揺るぎない安心感が取引完了時に
売主さんと買主さんの笑顔を生む。
その為に何度も足を運んだり、役所へのタクシー代わりになったり、
一緒に親戚中回って頭下げて書類を探したり・・・
でもね、そんなの最後に売主さんの笑顔を見れれば、
安いもんじゃないですか!
こんな感じで、言わば自分の親と思いながらプロの仕事をすると、
跡継ぎが居ない方からは『養子になってくれんか?』と誘って頂く事も
過去2回ありました。
残念ながら私は末っ子で長男。実家の遺産も資産もありませんが
大野姓を捨てる訳にはいきません!
話が逸れましたが、売却検討の方はくれぐれも勘違いしないで下さいね。
高く売る、早く売る、そんなのは最低限の事であって胸を張る事じゃない。
どれだけ売主さんに寄り添えるか?守ってあげるか?安心して貰えるか?
そこに意識と労力を割かずに、流れ作業のような売却を考える会社や
担当者は、私は三流だと思っています。(言っちゃったよ)
決して会社が大手だから安心、じゃないんです。
当社じゃなくてもイイので、直接対応する営業マンを
①~③の視点でチェックして下さいね!