最近一括査定サイトが乱立していますが、我々査定のプロからは・・・
【この場合は一括査定は無意味です】と答えたくなるケースがあります。
一括査定の功罪は別の機会に書くとして・・・
(当社もお付き合いで2社ほど利用しているので、あまりネガティブな
ことは書けない)
一括査定が無意味な(物件)とは・・・ズバリ! 土地・戸建です!
何故か?それを伝えるにはそもそも一括査定がどうなっているか?
についても少し(ザックリ)説明を。
通常一括査定が不動産業者各社に届くと、今はほとんど種別は違っても
各社提携システムの(AI)査定システムで算出します。
要はAI=販売事例や各種データベースを基準に計算して、
あっという間に算出されます。
そこに媒介契約欲しさに各社色んな文言で査定価格を上乗せして
お客様に提示する、ってのがベタな流れ。
(正直媒介価格で売れなくても後から値下げさせればイイ。
とりあえず媒介契約取らなきゃ!)という姿勢は
本当に業界の悪しき慣習ですが・・・。
正直言って上記のAI査定は【マンション】には、それなりに有効です。
と言うのもマンションは同一マンション事例も多くあり、それを基準に
・階数・床面積・部屋の向き・汚れ、などのポイントを加減乗除程度で
査定OKなので。
要は基準データも明確で比較検証ポイントの数もたかが知れてるので、
精度は高くなります。
引き換え、土地や戸建ては・接道種別・建ぺい率、容積率・高度地区
・地形の良し悪し・高低差・インフラ状況・周辺環境・ハザードリスク
・家屋の躯体状況・検査済み証の有無・間取りの特殊性etc
もっとたくさん有りますが・・・・
とりあえずこれら全てを個別要因で検証しなくてはいけない。
当社の場合は
①登記事項、公図、測量図で権利関係を確認
②都市計画法や建築基準法、道路台帳等公的資料を確認
③周囲の類似販売@
④周囲の類似成約@
⑤周囲の公示価格@
⑥前面路線価@
⑦対象地周辺の基準地価格年別価格変動率
上記を全て個別要因で検証します。
本来は土地戸建てはそれが正しい査定なのです。
(たぶん、大手の新人では難しい。建物の目視評価も無理だろうなぁ)
片や、AIさまは周辺地域の大体のザックリデータ(@150万円もあれば
@80万円もある)をある程度拾って玉石混合の平均値を掛けてるだけ。
そんな査定は実際・・・無意味ですよね?
100坪の土地と15坪の土地じゃ普通に考えて単価は違います。
前面道路が6M公道と2.7M私道でも単価は違います。
給水管が昔の鉛管13ミリと今の塩ビ20ミリじゃインフラの
評価も変わります。建蔽率や容積率でも大きく評価は変わります。
一応はそれらを入力する箇所はありますが、正確な精査や調査を
出来ないのが一括査定の弱点なんです。
結果、正確な物件の市場価格(適正価格)から大幅にずれた数字が出て、
売主さんは夢を見たり悲観したりします。
そんな無駄な時間や感情を割くよりも、場所特定で信頼出来る業者から
ちゃんとした査定書を取った方が確実だし納得出来ますよ!